偽王子と嘘少女
「いいんだよ、俺の好感度のほうが大事だし。それにあんな形で出て来たから、気まずいじゃん。このくらいしておかないと」
「気まずいのは、私のせいだよ…よく知らないで、合コンなんかに来ちゃった私のせい」
「まあ、確かにな」
すると突然立ち止まって、掴んでいたままの手を離す。
「さっきは、本当に悪かった。強引に帰らせて」
「ううん。藤堂くんのしたことは、間違ってないから。……まあ、でも『お仕置きする』っていうのは、ちょっとどうかと思うけどね」
「えっ…!? 俺様って、あんな感じじゃないの?」
青ざめて、だけどまた、恥ずかしそうに赤くなる。