偽王子と嘘少女
放課後のこと。
出席番号が近いせいで、藤堂くんと同じになってしまった掃除当番をやっていたとき。
掃除用具入れからほうきを取り出す私に、藤堂くんが声をかけた。
「なぁ、今日の帰り空いてるか?」
「は? そんなわけないでしょ。今日は、希子と図書館で勉強するんだから!」
合コンの時に助けてもらったというのに、相変わらず冷たい態度をとってしまう私。
でも、俺様キャラの藤堂くんは好きじゃないから、しょうがない。
「ふーん」
聞いておいて、その反応は。
また彼に対する苛立ちが、心を占める。
まあ、いっか。
今日は、希子と勉強するんだから!