偽王子と嘘少女
委員会で遅れるという希子から、メールが来た。
先に行っていていいよ。
と、希子が言うので、学校近くの図書館で待つことにした。
数学のワークでも開きながら、適当に問題を解く。
するとしばらく経ったとき、後ろから声が聞こえた。
「お待たせ」
そう言って、現れたのは…希子ではなく、藤堂くんだった。
「なんで、藤堂くんが…!? 希子は?」
焦ってパニックになって、『天然美少女』という設定を、危うく忘れるところになる。