偽王子と嘘少女
「いいから、好きなようにさせて! あと、出来ればお礼もしたい。今日だって、いろいろ迷惑かけちゃったし…」
昨日は、私のわがままのせいで無理やり勉強会を終わらせることになってしまった。
今日も、本当は一緒に勉強する予定ではなかったのに…。
「なら、こういうのはどう? 次のテストの点数で、負けたほうが勝ったほうの言うことを何でも1つ聞くっていうのは」
藤堂くんがにやりと笑って、口にした。
「つまり、賭けっていうことだね」
なんだか面白そうで、すぐに挑発に乗ってしまった。
藤堂くんが笑っているのは、余裕だということだ。
元ガリ勉くんの本当の力…どんなに凄いのか、正直楽しみ。
「負けないよ」
こっちは、元地味子なんだから。
同じように笑って、拳を合わせた。