偽王子と嘘少女
「でもさー、まさか藤堂くんにそんな過去があったとはね。驚きだわ」
「そうだよね。私もびっくりしちゃって」
今は、藤堂くんの秘密を希子に話し終えたところ。
どうせ後で言おうと思っていたことだから、この機会がちょうどいい。
「でも、高校デビューしているって言うことは、何か目的があるのかな? ほら、かぐやの場合、『自分を変えたい』っていう目標みたいなのがあるじゃん?」
「目的、かぁ…」
そんなこと、考えもしなかった。
藤堂くんがなぜ何のためにキャラを作っているかなんてこと、私に理解することができるのかな。