偽王子と嘘少女
学校ではあんなにもクールなキャラクターなのに、目の前にいる人は、どちらかといえば可愛らしい様子。
喜怒哀楽がはっきりとしていて、よく焦りよくテンパる。
この数十分の間で、何回赤くなったことか。
私の知っている藤堂くんと、同一人物とは思えないくらい。
「俺だって、お前の秘密知ってるんだからな! 普段は地味なやつだって」
ああ、やっぱり…このことだったんだ。
あんなに知られたくなかったはずなのに、今ではそのことを聞いても、ニコニコしていられる。
仲間を見つけたからかな。