偽王子と嘘少女
「俺がいる、大丈夫だから」
今日はテスト当日。
結局あの日のイライラが収まらず、まともに勉強なんて、出来やしなかった。
でも、仕方がない。
機嫌が悪いからテストを受けたくない、なんて理不尽な言い訳は、通じないのだから。
「さあ、席につけー! 1時間目は英語だぞ!」
熱血な担任のキャラのような口調でさえ、妙に鼻につく。
そしてチャイムが鳴り、皆はテスト問題を解き始めた。
カリカリと、シャーペンと紙がこすれる音がする。
やる気あるなぁ…。