偽王子と嘘少女
一生懸命な皆の背中が、なぜだか笑えてくる。
きっと、あのイライラが私をおかしくさせているのかもしれない。
さて、私もそろそろ問題を解こうかな。
シャーペンを手に取り、紙を裏返す。
当然、皆のように順調に問題が進んでいくはずもなく、ペンの走りは開始早々で止まった。
こんな問題、分かるわけないじゃん。
はあ、と大きなため息をひとつ吐いて、シャーペンを消しゴムに持ち替える。
消しゴムと紙をこすり合わせて、黒い文字を消していく。
でも、そのとき見えてしまったんだ。
消しゴムのスリーブの隙間から、マーカーで書いたような油性の文字が。