偽王子と嘘少女


「違うんです! あれは、私のじゃなくて…」


「なら、お前のじゃないと、どう説明できる!? 誰かに借りたという、証拠でもあるのか!?」


「それはっ! …ない、ですけど」


なんで、私がこんな目に…!?


高校に入ってからずっとキャラ作りをしてきたけど、それがバレていじめになるなんてことはなかった。


今回が初めて。


いや、まだいじめとは決まったわけではないし、誰かのものが間違って入ってきてしまったという可能性もある。


そう、そうだよ。


きっと、いじめなんてこと絶対ない。


先生が私を疑う中、私はただ心の中でこれが何かの間違いであることを祈るしか出来ないのだった。


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