偽王子と嘘少女
「それでね…私、見ちゃったの。希子が、かぐやのペンケースあさってるとこ」
「えっ…」
同情の目を向け、私にしか聞こえないように耳打ちする園川さん。
そんな、希子が…!?
なんで?
どうして?
私の一番の友達だと思ってたのに。
希子だけは裏切らないって、信じてたのに。
「希子…」
つぶやいたとき、希子は私から目を離した。
いつもの希子じゃない。
明るくて、元気で、大好きな希子じゃない。
ねえ…本当に何もないなら、まっすぐに私の元へ来れるでしょ?
なのに、なんで?