偽王子と嘘少女


着いたのは、屋上。


今頃は、数学のテスト受けているのかな。


難しいだろうなぁ。


屋上から見える教室の真面目な雰囲気に、苦く笑みをこぼす。


皆苦戦している様子で、きっと私のことなんてもう頭にない。


それはそれで、なんだか寂しい。


私なんて、居ても居なくても同じなのかな。


約1年間頑張ってきたけれど、全部無駄だったのかな。


中学卒業から今までの努力が、走馬灯のように脳裏に映る。


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