偽王子と嘘少女
鏡やぬいぐるみを使って、人と話すというコンプレックスを克服するために、夜遅くまで呪文のように唱えた日々。
お小遣いの全てをファッション雑誌に注ぎ込み、必死にメイクの練習をした。
髪型も変えて、どういう子が好かれるのか、ひたすら勉強した。
他にもたくさんある。
希子にだって、たくさん迷惑かけて、それでも『かぐやなら出来るよ』って応援してくれた。
その努力の全てが、全部無駄になってしまったなんて、信じたくない。
信じたくないよ、希子…。