偽王子と嘘少女
「なんで、そんなこと…」
「邪魔だったの、あんたの存在が!」
「………えっ」
突然の衝撃に、心も体も壊れそうになる。
「この間、私言ったよね!? もう藤堂くんに近づかないでって! それなのに、その次の日私見ちゃったんだけど…藤堂くんが、あんたに壁ドンしてるところ!」
「……えっ!? 壁ドンなんて、あいつがしてくるわけな…!」
そう言いかけて気付いた。
掃除終わり、藤堂くんが壁に追い込んできたけど、あれが壁ドンだったのか。
なんて、感心している場合ではない。
自ら犯人だと告白してきた今、私は何をされるのか分からない。