偽王子と嘘少女
「もともと嫌いだったの、あんたのこと。ぶりっ子で、馬鹿っぽくて、モテたいのが丸見えなのよ。どうせ、藤堂くんの事だって、お決まりのテクニックかなんかでも使って、落としたんでしょ!?」
「それだけは絶対に違う! 私と藤堂くんは、そんな関係じゃない!」
どうやら、私たちが高校デビューだということは、まだ気づいていない様子。
私はどんなに嫌われてもいい。
その秘密だけは守りきらなくちゃ…!
「今度、藤堂くんと仲良くしたら、どうなるか分かってるよね?」
もちろん、分かってる。
藤堂くんが無事に高校生活を過ごすことが出来るなら、そのくらいなんてことない。
そう答えようとした瞬間だった。