偽王子と嘘少女
「さっきはごめん、信じてあげられなくて…」
希子は、私の目の前で真っ先に謝った。
「ううん、しょうがないよ。謝らないで」
「違うの、かぐや。私、園川さんに言われたんだ。かぐやが、カンニング疑惑のことを私のせいにしようとしてるって」
「えっ…」
園川さんの本当の目的は、私を人間不信にさせることじゃなくて、希子との仲を引き裂くことだったんだ気付いて、思わず寒気がした。
「あのあと、よく考えてみたの。かぐやはそんなことをするような人じゃないって。そう思ったら、なんてひどいことをしちゃったんだろうって本当に後悔した。ごめん…ごめんね、かぐや」
何度も、そう何度も謝ってくれる希子。
私も、本当のことを言わなきゃ。