偽王子と嘘少女
「希子…最初は、私も疑ってた。希子が犯人なんじゃないかなって思ってた。だけど、希子は昔から、ずっと私のそばで応援してくれたよね。それが蘇ってきてさ。やっぱり、希子がいないと何もできないなぁって思って…」
だからずっと近くにいてよ、ね。
言葉にはしないけれど、希子なら分かってくれるって信じているから、笑顔で伝えるんだ。
「ありがとう、かぐや…」
「うん」
初めて抱き寄せた希子の体は、なんだか暖かくて、優しい気持ちになれた。