偽王子と嘘少女
「こいつ、俺のなんで」
「………で、なんでここに?」
連れて行きたいところがあると藤堂くんに言われ、後をついて行ってみれば、出会ったあの古い公園。
前にも座ったボロボロのベンチで、彼はカバンを漁り出す。
取り出したのは、今日返された、この間のテストの解答用紙。
「前に約束しただろ? テストの点数で、負けたほうが勝ったほうの言うことを何でも1つ聞くって」
「そんなのしたっけ?」
「しただろ。忘れたなんて言わせねぇ」
顔に喜びを出しながら、1枚1枚テストを確認していく。