情愛シンデレラ~悪魔な副社長と堕ちない花嫁~
「日葵、力になれなくて、ゴメン・・・」

「いいのよ。真琴兄ちゃん」

私の方から真琴兄ちゃんを抱き寄せた。
私一人の力では何もできなかった。
そんな折に、蓮が私達家族の為に・・・

「戻ったぞ」

間が悪いと言うか、私と真琴兄ちゃんが抱き合う場面に蓮と神尾さんが戻って来た。

「二人で何してんだ?」

「これは誤解です」

「お二人は血の繋がりのない兄と妹ですからね。
実はデキていたんですか・・・」

「神尾さん、大きな誤解です!!」

「日葵は俺を慰めていただけです」

真琴兄ちゃんは誤解を解こうと涙をハンカチで拭って、私と共に訴えてくれた。

「…蓮様は・・・」

「別にどうでもいい。日葵、コーヒーを淹れろっ」

蓮は仏頂面で、椅子に腰を下ろして頬杖をつく。

何も反応を返して来ない所が逆に怖くて、言え知れない不安が襲う。

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