情愛シンデレラ~悪魔な副社長と堕ちない花嫁~
蓮がリザーブした部屋は見合い場所となったスイートルーム。

「適当に座れっ。日葵、何飲む?」

「え、あ・・・」

あの時の蓮は私に何も訊かず、自分と同じコーヒーを神尾さんにオーダーさせた。

「何飲むかと訊いてんだ!早く言えよっ」

「怒らなくても…どんな飲み物がある分からないし」

「待ってろ」

蓮が私にルームサービスのアラカルトを持って来た。

「見ろっ」

蓮は私にアラカルトを渡すと隣に腰を下ろした。

先にソファに腰を下ろし、寛ぐ私に何も言わない蓮。

あの傲慢な蓮は何処に行った?
飼い犬のラッキーと戯れる蓮。
私の護る為に怪我をした蓮。

別人に見えちゃうが、全部が素顔の蓮なのかもしれない。


「決まったか?」

蓮はスマホを弄りながら訊いて来た。

「コーヒーで」

「俺と同じかよ。訊く必要なかったな・・・」


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