情愛シンデレラ~悪魔な副社長と堕ちない花嫁~
仕事の話かと思えば、お爺様の愚痴だった。
俺も親父も多忙の身だと言うのに、『失礼しました』と二人で会長室を出た。
「蓮、時間あるか?お前に話がある」
親父が俺を社長室へと呼んだ。
応接ソファを囲んで、親父が話を始める。
「お前が結婚して男児を誕生させたら、社長就任、俺は社長から会長になるワケだ。そして、晴れて、父さんは引退。隠居生活・・・」
親父の口許は満面の笑みを浮かべていた。
「お前だって、嬉しいだろ?蓮」
「副社長の仕事に慣れたばかりなのに、社長なんて・・・」
「そう言うな。俺はお前に期待しているんだぞ」
「お二人共コーヒーをどうぞ」
社長秘書の魁叔父様が俺達にコーヒーを淹れてくれた。
魁叔父様と寧々叔母様は生徒と教師の関係の末、結婚したらしい。それが原因で、『桐生建設』は継げず、親父のサポート役としてずっと秘書を務めていた。
二人の間には二人の娘が居る、二人共結婚。しかし、ひ孫として生まれるのは女の子ばかりで。
お爺様は頭を悩ませている。
「魁だって、いつまでも親父に『桐生建設』に居座れては困るだろ?」
一度は政界に進出したお爺様。
今は会社に出戻って、会長を務め、『桐生建設』の影の支配者として君臨していた。
何かと小うるさいお爺様は親父にとって目の上のたんこぶでしかなかった。
俺も親父も多忙の身だと言うのに、『失礼しました』と二人で会長室を出た。
「蓮、時間あるか?お前に話がある」
親父が俺を社長室へと呼んだ。
応接ソファを囲んで、親父が話を始める。
「お前が結婚して男児を誕生させたら、社長就任、俺は社長から会長になるワケだ。そして、晴れて、父さんは引退。隠居生活・・・」
親父の口許は満面の笑みを浮かべていた。
「お前だって、嬉しいだろ?蓮」
「副社長の仕事に慣れたばかりなのに、社長なんて・・・」
「そう言うな。俺はお前に期待しているんだぞ」
「お二人共コーヒーをどうぞ」
社長秘書の魁叔父様が俺達にコーヒーを淹れてくれた。
魁叔父様と寧々叔母様は生徒と教師の関係の末、結婚したらしい。それが原因で、『桐生建設』は継げず、親父のサポート役としてずっと秘書を務めていた。
二人の間には二人の娘が居る、二人共結婚。しかし、ひ孫として生まれるのは女の子ばかりで。
お爺様は頭を悩ませている。
「魁だって、いつまでも親父に『桐生建設』に居座れては困るだろ?」
一度は政界に進出したお爺様。
今は会社に出戻って、会長を務め、『桐生建設』の影の支配者として君臨していた。
何かと小うるさいお爺様は親父にとって目の上のたんこぶでしかなかった。