情愛シンデレラ～悪魔な副社長と堕ちない花嫁～

三人とは店の前で別れた。

「日葵・・・」
蓮は神妙に私の名を呟く。

「朝までつきあってくれ」
蓮は顔を赤く染め上げ、耳朶まで真っ赤にした。

「うん」
彼の意外な反応に驚きながらも頷いた。

「何だな凄く暑いな・・・全身から汗が吹き出してる」

蓮は額に滲む汗を手の甲で拭った。

「どうぞ」と私は蓮にハンカチを差し出した。

「サンキュー」
蓮は私のハンカチで汗を拭いた。

先に一階のロビーにエレベーターで下り、カウンターで部屋をリザーブした。
カードキーを受け取る頃には元の蓮に戻っていた。

「行くぞ、日葵」

「うん」
私の心臓はこれ以上ないぐらいに早鐘を打ち鳴らしていた。
緊張を高鳴らせ、再びエレベーターで浮上する。

リザーブしたスイートルームの階に停止、軽やかな音が響いた。
蓮は私の肩をそっと抱いてエスコートする。