情愛シンデレラ～悪魔な副社長と堕ちない花嫁～

「これが蓮様の命令で集めた金森日葵様の調査書です」

「短時間で良く出来たな。神尾」

「蓮様のご命令ですから・・・」


神尾隆。

彼は俺の専属執事兼副社長秘書兼ボディガード兼家政婦。
神尾は四役をこなすスーパーな男。


俺は封を開けて中身の調査書にざっと目を通した。


彼女の父親の会社が倒産寸前？？
日葵自身,三月に大学卒業だと言うのに、就職先が決まっていない。何やってんだ？日葵のヤツは。
『桐生建設』受けりゃ、顔パスで採用してやるのに。


「あくまで、噂ですが・・・どうやら大手メガバンク『帝和銀行』に融資を断られたようで」


「帝和が融資しないともなれば、他の銀行は絶対に貸さないな」


「負債総額は幾らになりそうだ？」


「見積もって多分…１２４億」


「・・・中堅でも『金森薬品』は有名だ。何処かの製薬会社が吸収したりする可能性があるだろ？」


「今の所、そのような情報は御座いません」


「倒産しかけの会社の社長令嬢と蓮様の結婚をお父上やお爺様がお許しなるとは到底思えません」


「・・・会社を倒産させなきゃいい」


「しかし、俺が帝和に融資を申し入れる！そして、それを盾に結婚を迫る！！いやその前に『桐生建設』に就職させてやろう」


「蓮様？？」


「俺はあの時から俺の妻は金森日葵と決めている」



「お気は確かですか？」


神尾は俺の額に手を当てて、熱を測る。


「熱はない！」