情愛シンデレラ～悪魔な副社長と堕ちない花嫁～

普段は蓮様の意のままに動き、執事の仕事を完璧にこなしているようだけど、オフスタイルの彼は全くの無防備。


折角眠ってしまった神尾さんには悪いけど、遠慮がちにドアの窓を叩いて起こした。


神尾さんはハッと肩をビクつかせ、目を開けて驚いた様子で私を見る。


そして、慌てた様子で出て来て後部座席のドアを開けた。


「神尾さん、何を訊いているんですか？」


「えっ！？」


神尾さんは耳に差し込んだままのイヤホンをバツの悪そうな顔で取った。


「別に何も訊いていませんよ・・・」


「昼寝の邪魔してゴメンなさい」


「別に構いませんよ。いいから、早く乗って下さい」


神尾さんは私を後部座席に乗せるとゆっくりとドアを閉めて、運転席へと戻り、眠気覚ましに缶コーヒーを飲んだ。


「まぁ、その恰好ならディナーに問題ありませんね」