情愛シンデレラ～悪魔な副社長と堕ちない花嫁～
三人で淡々と仕事をこなし、ランチタイムに入った。

「神尾お前が先に行って来い」

「私がお先でよろしいのですか？」

「1時間ぐらい昼メシ我慢出来るよな。日葵」

「え、あ・・・はい」
蓮さんに空腹で死にそうとハッキリとは言えなかった。

「お先にお昼行って来ます」

「いってらしゃい」
蓮さんは短く手を振り、神尾さんをランチに行かせた。

私と蓮さんの二人。

カタカタとキーボードの音を鳴らし、ひたすら資料作成。

「社長室に行って来る」

蓮さんが初めてデスクを離れ、神尾さんの後を追うように居なくなってしまった。

一人残された私は指を止めて、凝り固まった肩を回して、背筋を伸ばす。

全身を脱力させているとお腹の虫がグーと大きく鳴った。

蓮さんが居なくなって良かったと安堵しているとデスクに置かれた彼のスマホがピカピカ光りながらバイブし始めた。

席を立って、彼のデスクに近づく。

ディスプレイに表示された名前は涼子・・・

女性の名前だった。


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