情愛シンデレラ~悪魔な副社長と堕ちない花嫁~
相手の涼子さんは執拗に鳴らしていたがとうとう留守番サービスに切り替わった。

「俺のデスクに用事あるのか?」

「え、あ…別に」

社長室に行ったかと思えば、いつの間にか私の背後に蓮さんは立っていた。

「戻っていたなら、一言声かけて下さい。心臓に悪いです。副社長」

「何でいちいち、お前に声かけなきゃいけないんだよ」

「それよりも涼子さんって人から電話ありましたよ」

「涼子?あ…この間の新規の女か・・・」

「!?」

蓮さんはスマホを手にして、着歴を見た。


「涼子さんって誰ですか?」

「気になる?」

蓮さんの意地悪な目線が癪に障る。

「別に…私達、一応結婚するワケですし・・・」

「気になるんなら、気になると言えばいいだろ?」

「気になんてしていません」

向きに返せば返すほど、ドツボに嵌ってゆく。

蓮さんは私を硝子に追い込んだ。ここは地上三十階の最上階フロア。
硝子越しに見える景色は絶景で、首都高を走る車は小さく見えちゃう。

後は硝子、前は蓮さんに挟まれ、両側は彼の腕に囲まれてしまった。



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