情愛シンデレラ~悪魔な副社長と堕ちない花嫁~
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社屋に戻ると玉瀬部長が蓮さんの帰りを待っていた。

「待たせてすまない。玉瀬部長」
玉瀬部長は蓮さんよりも二回り以上年上。推定年齢四十五歳位。
その年で髪が薄毛なのが可哀相に思えた。
蓮さんは慌ててソファに座り、話を始める。
「〇〇川の堤防工事の進行状況が知りたかったんだ」

「この間の想定外の雨量により河川増水で氾濫。
工期の遅れを取り戻そうと現場は最善の努力は尽くしております」

「来月内の遅延で行けそうか?」

「早急に現場と連絡を取り、副社長に報告させていただきます」

「頼む。それと「〇〇道路新設工事」ついての原価についてだけど・・・」

「金森さん」

私は神尾さんの呼ばれ、給湯室に一緒に入った。

「副社長と玉瀬部長にコーヒーを淹れて欲しいんだ」

「承知しました」

私はコーヒーサーバーの前に立った。

「副社長忙しそうですね」

「国や自治体の絡む公共事業の進行については話をしているんですよ。今日初めての貴方には分からないかもしれませんけど」

「少し位はわかります」

「他にも大きなプロジェクトを抱えて、蓮様は多忙なんですよ。なのに・・・貴方の為に蓮様は・・・」

神尾さんは急に口を噤み、自分の唇に人差し指を当てた。

「神尾・・・さん?」
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