情愛シンデレラ~悪魔な副社長と堕ちない花嫁~
私の荷物は母の手によって適当に段ボールに詰め込まれていた。

「蓮さんと同室・・・ですか?」

「同室ですけど…何か問題でも?」

「問題あり過ぎますけど・・・私と蓮さんの仲は当主の捺様には認められていませんよ」

「捺様も口ではそう言っておられますが・・・ご自身も亡き奥様に惚れて強引に政略結婚した身。そのご自身の血筋を受け継いでしまった蓮様。蓮様のお気持ちは捺様が一番理解しております」


「口では反対しながらも、心の中では認めている」


「そうですね・・・貴方の使命は唯一つ。蓮様との間に男児を儲けるコトです」


蓮さんの強引さはご当主譲りってコトなんだ。

「では、今から分三十分後にお迎えに上がります」

神尾さんは一礼して部屋を出た。

蓮さんの部屋にしてはファブリックな内装。
バラの装飾が施されたセンターテーブルにマントルピースとはこれって全部ヨーロッパからのお取り寄せっぽい。

私は猫足のベビーピンクのカウチソファに腰を下ろし、吐息を付いた。

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