情愛シンデレラ～悪魔な副社長と堕ちない花嫁～

「神尾さん？」

「あ・・・蓮様の仰る通り、コーヒーは濃い目でお願いしますよ。日葵様」

「はい。それよりも・・・蓮様のカラダから女性用の香水の匂いがしたんですけど・・・私以外に・・・」

「俺には匂いませんでしたが・・・貴方の気のせいですよ」

神尾さんに言われ、自分の気のせいかと素直に納得してしまった。


「それよりもコーヒー早く淹れてください」


「はい」

神尾さんも出て行って、私一人になった。


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蓮さんは神尾さんの持って来たスーツに着替え、デスクの椅子に腰を下ろして欠伸をしながら書類に目を通していた。


「コーヒーです。副社長」

「ありがとう。日葵」

蓮さんは私の淹れたコーヒーに早速喉に通したが、気難しい顔で私を見た。

「マズッ、お前…このコーヒー味見したか？」

「いいえ」

「濃い目とは言ったが、濃すぎる。これでは飲めないだろ？」

「どれどれ」と神尾さんも私のコーヒーを一口啜った。

「うっ」
神尾さんの顔面が蒼白する。


「直ちに淹れ直します。副社長。日葵様貴方も来てください」
コーヒーの淹れ直しを命じられた。