情愛シンデレラ～悪魔な副社長と堕ちない花嫁～

椎名さんの瞳は聡明で凛とした光を宿していた。

帝家に縁の深い名家の家柄。
誰もが振り返る程の美人だった。


椎名さんと話す諏訪部先輩。

彼女は諏訪部先輩の指導医だと言う。
諏訪部先輩の態度を見て、椎名さんに対する恋情のようなモノを汲み取った。


「ご馳走様」

「おかわりはしないの？金森さん」

「はい、蓮さんに早く戻るように言われていますから…お先に失礼します」

「来週の火曜日また来るから…その時は副社長室訊ねるよ。金森さん。蓮によろしく伝えてくれ」

「分かりました」

私は笑顔を貼り付けて軽く会釈して食器とトレーを返却口に戻しに行った。



諏訪部先輩は初恋相手。


今の私はーーー・・・


「戻りました・・・」

「早い帰りだな・・・」


「食堂で諏訪部先輩に会いました」


「えっ！？湊に？？」


「会長に呼ばれたようで・・・」


「指導医である椎名医師が産業医として毎週火曜日はこちらに来られているから…その都合でしょう」

「そうか」
蓮さんは神尾さんの言葉に相槌を打った。