情愛シンデレラ~悪魔な副社長と堕ちない花嫁~
《10》悪魔に堕ちる?
日葵side~
柊さんは三十分程、蓮さんと話をして帰って行った。
「あの・・・副社長。私・・・」
「礼を言うなら・・・今夜セックスさせろ。日葵」
オフィスに似つかわしくない言葉を吐き捨てる蓮さん。
「お前に俺の子を仕込んでおけば・・・お爺様だって反対出来ない」
「副社長にはデリカシーと言うモノはないんですか?」
「デリカシーね・・・そんなものないよ」
蓮さんは不敵に笑って私を抱き締めた。
「俺が背負ってる借金は幾らだと思う?」
「億単位であるコトは分かっています」
「そうだよ」
「でも、どうして?そこまでして復讐するんですか?」
「復讐じゃねぇって言ってんだろ?」
「やっぱり私のコトが・・・」
「いいから・・・コーヒーカップ下げてくれ。日葵」
蓮さんはテレ臭そうにプイッと顔を逸らして、抱擁を止めた。
そして、自分のデスクに戻り、パソコンを立ち上げる。