情愛シンデレラ~悪魔な副社長と堕ちない花嫁~
「笹島チーフが無断で行いました…俺は新薬の副作用を危険だと判断し、データを全て消去しましたが・・・笹島チーフが消去する前にデータをコピーし、その臨床試験の結果を持って『ラビエータ』に・・・噂ですが・・・その新薬を『ラビエータ』で研究し続けているらしいです」


「そうか・・・」


「桐生副社長・・・ウチの会社にはもう金のなる木は存在しないようだ」


「金森社長・・・」

「わしは腹を括っている。だから・・・貴方に日葵をお願いしたい」


「それは承知いたしております。金森社長。でも…会社はまだ倒産していない。他に再起を狙える方法はあると思います。
だから、希望は捨てないで下さい」


蓮さんは諦め顔の父を懸命に励ました。


「ありがとう。桐生副社長」


「お父様・・・」


「日葵…わしも母さんも大丈夫だ。お前は彼との幸せだけを考えていなさい」

「でも・・・」

「時間です。副社長」

神尾さんが蓮さんの肩を叩いた。

「また…来ます。今度は娘婿として、邸宅にお邪魔しますよ。金森社長」


蓮さんはそう父に優しく言うと、ソファから腰を上げた。
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