空にとけた夜の行方。
それでも私は、動けなかった。頭が真っ白になったように足がすくんでしまっていた。それ以上に、舜くんが、私の好きな人が、受けた告白にどう返すのか、気になってしまった。
「……俺は、」
永遠のような沈黙のあと、彼がようやく口を開く。
「……ごめん、君の気持ちには応えられない」
「え……」
呆然としたような、女の子の声が聞こえてくる。
妙に力が抜けるような、ほっとするような心地がして、私はそんな自分に嫌悪感を覚えた。私、舜くんが告白を断って、あの子がふられたことを、きっと喜んでしまっている。
今、彼女はどんな顔をしているんだろう。泣くんだろうか。泣いたら、舜くんは優しいから困ってしまうかもしれない。もしかしたら、飛び出してくるかもしれない。隠れた方が良いのかも──
「っそれでもいいから!」
そんなことを考えていたのに、彼女の声がさらに聞こえてきて、私は少々驚く。
「私のこと、これから好きになってくれるのでもいいから、付き合ってください……!」