オレの女はアイツだけ
謝ろうと顔をあげて相手の視線とぶつかる。
「え・・・」
恐怖で体が固まって動けなかった。
この場だけが時が止まった気がした。
そして
よりによってぶつかった相手は・・・
私を追っているガラの悪い男だった。
「おい!女だ!もう絶対逃がすな!!」
男は後ろにいたガラの悪い男に向かって叫んだ。
気が動転して頭の中が真っ白になっていく。
逃げろと脳内に警戒音鳴り響く。
逃げなきゃ・・・!
「来ないで!!」
ガラの悪い男が私に手を伸ばしてきて
手で振り払い私は勢いよく立ち上がり走り出した。
「おい!待て!!!」
もう・・・
こんなのイヤ!!
だけど
あんな男たちに捕まるのなら一人で死んだほうがよっぽどマシだ
それか
あのとき彼に・・・
Yesと言ったほうがまだよかったかも
好きでもない出会ったばかりの人と付き合うのは不本意だけど
助かるならそうしていればよかった。
そんな後悔の念が頭の中をぐるぐるさまよう。
そんなことを考えてると無我夢中で走っていると
またいつの間にか路地裏に入り込んでいた。