オレの女はアイツだけ





地面に体がつくの覚悟してぎゅっと目を瞑る












しかしーー







いくら待っても、痛みはこない
それどころか温かくて柔らかい







誰かに抱きしめられてる・・・?










「ご苦労様、バカ鬼さん
コイツは俺がもらう」









声が聞こえた。





そうーー







彼の声が聞こえた。








そっと
目を開けると彼がいた。


私は腕の中にいた。





なんでここに彼が・・・?

あのとき
どこかに行ってしまったはずなのに。










「お、お前は!
あの椎名颯真!?」






ガラの悪い男たちは驚いた顔をした。





椎名颯真・・・?


あれ、彼は・・・。


知っているはずなのに
頭のどこかに引っかかって思い出せない。












「なに?今度は俺と鬼ごっこする?
フッ、捕まえられるならやってみろよ?
バカ鬼さん」












ニッと笑みを浮かべ
ガラの悪い男たちを挑発する。





この人は本気で逃げ切れると思ってる・・・。



こんなにも大勢に囲まれてるのに。



どうしてそんなに余裕なの?






































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