オレの女はアイツだけ
隣にはーー
眠る彼の顔があった。
やっぱり・・・。
嫌な予感は命中してしまった。
彼は抱き枕のようにしっかりと私を腕の中に抱いていた。
なんだろう
この状況は・・・
もしかして・・・!?
見ず知らずの彼とキスした上にまさか一夜を・・・
嫌な想像が頭の中を駆け巡る。
慌てて布団を握りしめて恐る恐る布団を持ち上げた。
「服は・・・着てる!」
ホッと胸を撫で下ろす。
よ、よかった・・・!
いや・・・!
よくない、よくないよ!
この状況はよくない!
記憶がない上に知らない人の腕の中にいるんだよ!!
よくない!!!
「どうして・・・」
彼の顔を覗き込む。
近くで見ると
本当に綺麗な顔立ちをしている
高い鼻。
長い睫毛。
長めの前髪。
胸板は案外厚くてーー
八ッと我に返って恥ずかしくなる。
何考えているんだろう私は!
恥ずかしさのあまり赤面して視線を外した。
「フッ
人の顔覗き込んで
寝込み襲うとでもしてたのか?
さすがキス女、とんだ変態だな」
その声に慌てて振り返る
「お、起きてたんですか!?」