オレの女はアイツだけ









焦る私を見て、彼は吹き出す












「ハハハッ
なに本気にしてんだよ、バカ」












「えっ!?」









だ、騙された。

ほ、本当にキスされるかと思った・・・。

まだ心臓がドキドキしてる。










「なに?
キスされたかったの?」












「ち、違います!!」










彼はニヤリと笑った。

そして
何事もなかったように私の手を離した。










「さすがにそこまで
変態じゃねぇか、お前」










さっきから
彼に調子を狂わせられてばっかりだ。



言い返そうとしたギロリと睨んだ。


けれど
怖い顔で睨み返されてしまった。




ムッとして
思わず顔にでてしまう。






この人には
何もかなわない気がしてきた・・・。




黙り込んで息をつく。






「ハッ!
待て!今何時ですか!?」







私は慌ててベッドから起き上がった。











「は?なに慌ててんだよ
 今は8時26分」







うそ・・・!?

もうそんな時間!?



完璧に遅刻・・・!















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