オレの女はアイツだけ
言葉を失いかけて
私は気を取り直す。
「あの、でも!
私が働いてた会社は!」
「それなら
退職状送り付けてやった
細々とした手続きは樹に任せてあるから安心しろ」
彼は興味なさそうに
タブレットをいじりながら答えた。
え?
なにを勝手に・・・
安心なんてできないし全然納得がいかない。
それに意味がまったく、よくわからない。
それにここまでするって
この人たちに何者なの・・・?
「そんな勝手に!
あなた達は何者ですか!?」
「ご挨拶遅れました。私は、シナダグループの社長秘書の品田樹と申します
そして、そちらにおられる方がオーナーの」
「俺がオーナーの椎名颯真だ」
あの日本有数の大企業
シナダグループのトップ・・
信じられない・・・。
なんで
私が日本有数の大企業のトップの婚約者に・・・。
「待ってください!
一体、どういうことなんですか!?」
「うるせぇな
樹、とりあずコイツを風呂に入れさせろ」
「はい、かしこまりました
こちらです、千夏様」
「え、あの。ちょっと!」