オレの女はアイツだけ
角を曲がった先にはーー
例の人影は見当たらなかった。
見間違え・・・?
でも
確かに人がこの角を曲がったはずなのに。
「誰か!
誰かいませんかーー?」
その瞬間!!!!
グィッと横から腕を掴まれ
細い路地に引きずり込まれた。
こわい!!!
誰か!!!!
助けて!!!
「きゃああああーーーー」
恐怖でぎゅっと目を閉じた。
「いやあーっ!触らないで!うぐっ!?」
叫ぶ私の口もとを大きな手で塞がれた。
このまま車に連れ込まれて誘拐!?
身代金よこせとか!?
それとも海外に売り飛ばされたり!?
そんなの、そんなの・・・
絶対、嫌!!!!
ガブッ
私は無我夢中で口元を押さえつけられた手を
思い切り噛みついた
「いってぇっ!チッ
いきなり噛みつく女いるかよ、フツー
まあ、お前が見つかってもいいなら話は別だけどな」
その声にびっくりしてそっと目を開けた。
目を見開くと男の人の顔が間近にあった。
「えっ?」
混乱してうまく頭が動かない。
彼が・・・
私を
助けてくれた・・・?
助かった・・・?
「えっと、あの・・
助けていただいてありがとうございます」