オレの女はアイツだけ
「誠に勝手ながら
DNA鑑定をさせていただきました」
まさか、そんな・・・。
DNA鑑定なんて・・・!!
「そんな!勝手に!!」
「勝手だろうが何だろうが
俺の目的のためなら構わねぇ」
低い冷たい声に思わず身体が硬直する。
こわい・・・
初めて彼に対して恐怖心が生まれる。
「颯真さん!」
樹さんがそっと彼の視線を遮るように私の前に立った。
彼の目的はーー
一体、何だろう・・・?
たくさんの不安が一気に込みあげる。
「樹、どけ」
彼は樹さんを押しどけ
紙を無理やり私に押し付けた。
「颯真さん、落ち着いてください
そんな無理やり現実を突きつけてもいいことはありません!」
「樹は、黙っとけ」
彼は樹さんを手で制し、近寄るのを拒んだ。