オレの女はアイツだけ
「契約書をお預かりしており、
千夏さんのサインと拇印もちょうだいしております」
私のサイン?
しかも、拇印・・・?
契約書なんて
サインした覚えなんてない。
「えっ!?
見せてください!!」
樹さんに駆け寄って持っていた契約書らしきものを覗き見る。
これはーーー。
私の字・・・
うそ
こんなのありえない。
いつ・・・?
もしかしてこれは・・・
絶対あの人の仕業だ。
それ以外考えられない。
「正真正銘お前の字
てことは?お前は・・・」
「で、でも、こんなの!
私は!私は!!認めません!!」
こんなの
認められない・・・!
何も知らない人と婚約なんてできない。
またあの人に苦しめられるなんて・・・!
もう、嫌なの・・・。
「じゃあ、20億払えるんだな?
払えるなら解放してやる」
「そんな・・・!!」
私には選択肢はない。
かごの中の鳥。
まるで、あの時と一緒だ・・・。