オレの女はアイツだけ









私はしばらく考えた。




そしてーー







「はい・・・」





これが私のーーー







答え。








「今日からせいぜい婚約者として働け」








私の答えに、彼は満足そうに笑った。








「あくまでも20億を払うのと変な男の人に追われるのが嫌で了承しただけです!」








今は、婚約者でもなんでもいい。


あの人の考えはまだ読めない。
下手に動けない。

それに契約書があるうちは
20億なんて到底払えない。


だから
少なくとも今は彼らを信じるしかない。


彼らの目的がどうあれ
私はもうそれしかない。









彼はフッと笑った。







「可愛げねぇ、コイツ」










それだけ言って彼はリビングから出て行った。



















「それでは
千夏様、今日からよろしくお願いします」












「こちらこそよろしくお願いします」










「あ、言い忘れてたけど
ケータイは今日からこれを使え」







彼はリビングの入り口から顔を覗かして
ポケットからスマホを出して私に向かって投げた。













「うわっ!?」









投げられたスマホをキャッチした。


そのスマホをよく見ると私のものではない。



あれ、私のスマホは・・・?

















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