オレの女はアイツだけ




「お前のケータイは捨てた
必要なものだけはいれてある」






「え、そんな!」



勝手に・・・!




慌ててスマホのタップして連絡帳を開いて確認する。

椎名颯真
品田樹

そして私の幼馴染の名前やその家族の名前だけしか入っていなかった。










「勝手に!こんなの困ります」











「知らねぇ
ここにいるなら俺のルールで動け
それが嫌なら20億払え
以上」









それだけ言うと彼は私の返事も聞かずにスタスタと歩いてしまった。








「そんな・・・」









「いってらっしゃいませ」












樹さんはただ深々と頭を下げて彼を見送っていた。







そして
顔を上げて私を見てニコっと笑って静かに私の目を見つめる。









「千夏様からすれば
颯真さんのやることは身勝手だと思います
あなたを傷つけることは決してありません」










「すぐにはご理解できないと思います
ですが、必ずわかるときは来ます」








樹さんの言葉はなぜか心に響く。




私には、まだわからない。

あの人からの手紙の意味も彼のこともなにも・・・。



知らなきゃいけない
そう言われてる気がした。








































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