オレの女はアイツだけ









「助けてやったら
子犬に思い切り噛みつかれたけどな」









いかにも不機嫌そうな顔で睨まれた。



子犬扱い・・・

さっき
思い切り舌打ちしてたし絶対噛みついたこと怒ってる・・・。



でも
誰だってあの状況なら悲鳴あげるし噛みつく


噛みつく・・・?




噛みつきはしないかも・・・。










「・・・ごめんなさい、申し訳ないです」












「おい!
さっきの悲鳴はこの辺だ!
お前ら!探せ!決して逃がすな!!」









近くから男たちの声が聞こえる。





うわぁ・・

もうこっちまで来てる!

どうしよう、どうしよう。

このままだと確実に捕まる・・・。




私たちがいる細い路地はもう先はない。

行き止まりだ・・・



逃げ場はもうない。









「チッ
予想より1分早い。樹、頼んだ」









彼は耳につけてるインカムから誰かに指示した。





この人は何者なの?

私が追われてる理由も知ってるの?


一度に色々なことが起こりすぎて思考が上手く回らない。









「お前・・・
一瞬、顔貸せ」










「えっ・・・?」













< 4 / 41 >

この作品をシェア

pagetop