オレの女はアイツだけ
さすがの私も、これにはカチンときた。
「社長だかオーナーだか知りませんけど
デリカシーの欠片もない非常識な人には絶対に言われたくありません!!」
「そのデリカシーの欠片もない非常識なヤツに助けられたのは誰だろうな?」
む、むかつく・・・
それを言われてしまった反論しようにもできない。
静かに睨みあう私たちの間に樹さんが止めに入る。
「颯真さん!」
「チッ、なんだよ
大体、部屋のドアが少し開いてたから見
ただけだ」
少し部屋が開いてたからって・・・
「な、なんで見るんですか!!」
私の声に彼は新聞から目を離して不機嫌そうにこちらを睨んできた。
「あぁ?
開いてたら普通見るだろ
しかも、あんなエロい格好なら尚更」
エロい格好・・・
まさか見られるなんて・・・
後ろから樹さんの小さなため息が聞こえた。
「颯真さんは、まったく・・・」