オレの女はアイツだけ









「ちがっ!!」




どういう思考回路で私がスケベになるの!?




否定しようと思って胸を押しのけたらグッと引き寄せられた








ちゅっ







「ま、ちょっ・・・んっ!?」










あっという間に出会ったばかりの何も知らない彼に私の唇を奪われた。




そっと押し付けられた唇の感触はどこか優しく不思議な感覚だった



わたし
キスされてる・・・?




どうして・・・?

なんで?




身体が石のように固まって動けない。






たくさんの疑問が頭の中で飛び交う
それと同時に大勢の足音が聞こえてきた。









「っ先輩!いました!!」











えっ!?

この状況で
見つかった・・・!?


どうしよう!!


逃げなきゃ捕まってしまう!



咄嗟に彼の体を押しても彼はしっかりを私を抱き離そうとはしない。



彼の胸に顔が埋もれる。














「んっ?
お前、バカ!ちげーじゃねえかよ!!
カップルだ!
こんなところで時間食ってたら
女に撒かれる!
お前ら、手分けして探せ!!逃がすな!!」











バタバタと大勢の足音は去っていった。





そして
長いキスから解放された。




行った・・・?


気づかれなかった。




ホッとして
緊張した全身から力が抜ける。





「おいっ!」






よろける私を彼はそっと支えてくれた。





















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