オレの女はアイツだけ
「あの!
さっきからバカにしてますか!!!」
「おい、バカ女
YesかNoで10秒以内に答えろ
俺の女になれ」
「は、はいっ!?」
突然すぎて彼の言葉に耳を疑う
もう頭が混乱する。
だけど
彼は表情ひとつかえないで私の顔をじっと見つめる。
何なのだろう、本当に。
この人は!!
そんなのNoに決まってる。
今日たった何分か前に初めて会った何も知らない人と付き合うなんてありえない!
でも・・・
Yesと言えば彼は助けてくれる・・・?
静かな沈黙が続く。
「時間切れだ
俺は決断力のないヤツには用はねぇ。
せいぜい1人で逃げきれよ
まあ、無理だと思うけどな」
しびれを切らしたように彼はそう言って
立ち去ろうとする彼の背中に私は声をかけた。
「え!あの!!」
彼は振り返って
目を細めてギロリと私を睨んだ。
そしてスタスタと歩いてしまった。
彼の背が暗闇に消え後
私はしばらくその場に立ち尽くしボッーと街の灯りを見つめた。