殺人鬼からのラブレター
無事学校に辿り着いた俺たちは、互いの教室に向かって歩き始める。


「レン、じゃぁまたね」

「ああ」

A組のアイは手を振りながら、颯爽と先に教室へと入って行った。

……結局、さっき見た同じ光景は何だったんだ。

正夢の類か?

まぁもしも正夢だったとしても、アイを救えたことだし、良しとするか。

俺はチラリと横目に、彼女の背中を確認する。

アイは机に鞄を置き、友人の福田 幸枝と談笑し始めていた。


その後すぐに、タケが2人に声を掛ける。

3人は仲良さげに会話を交えていた。


「……これ以上、深く考えるのは止そう」

小さな溜め息と共にそう溢しつつ、俺も静かに自身のクラスへと向かった。


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