殺人鬼からのラブレター
穏やかな、昼休み。

俺は弁当をたいらげた後、クラス仲間と一緒に、寒空の下でサッカーに勤しんでいた。

「レン! ちょっとは手ぇ抜けよー。俺、バスケ部だぞー」

「んなことするかよ。お前意外に上手いから、本気でやらないとコッチが負けそうになる」

フェイントを掛けながら、巧みにボールを転がし、突破口を模索する。

「はっ、そんなこと言いながら、頭の中で試合のシュミレートしてんだろ。お前は」

俺の頭の中を読み当てた友人にニヤッと口角を上げながら、その右側をすり抜ける。

「ああ、その通りだな」

ガッ、と蹴り上げたスパイクが、ボールをゴールに叩き入れた。
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