殺人鬼からのラブレター
「なんだ?」
「救急車、こっちに近付いて来てない? 」
「えー、なんでだろ」
サイレンの音が近付いてきたかと思えば、体育館の真ん前に救急車が現れ、止まった。
グラウンドで部活をする者はもちろん、学校内で居残っている学生達も皆、窓から顔を覗かせて、体育館内で何が起こっているのかを確認しようとしていた。
ただ、俺を除いては。
霞み始めた景色に、幼馴染みが死んだことを悟る。
「おい、北山! 練習に戻れ!」
普段は鬼のように厳しい顧問に引き止められようとも、駆け出した足は止まらなかった。
誰に怒られるだとか、周りからの評価だとか、未来とか....アイの死んでしまったこの世界に、用は無いから。
既にモザイク掛かった景色の中、急いで体育館に向かい、担架で運び出されるアイの姿を確認した。
次に入り口に立ち尽くす顔面蒼白な福田 幸枝の肩を掴み、必死に問い掛ける。
「なんで、アイは死んだんだっ……」
慌てふためく、福田 幸枝の瞳には玉の涙が浮かんでいた。
「え、あっ、急に、仰向けで倒れて……。凄い勢いで、後頭部を打ってて……でもまだ、死んだわけじゃ……」
既にボヤけて顔の輪郭すらあやふやになってしまった彼女に、俺は現実を突き付ける。
「死んだよ、アイは……。もう、死んだんだ」
「救急車、こっちに近付いて来てない? 」
「えー、なんでだろ」
サイレンの音が近付いてきたかと思えば、体育館の真ん前に救急車が現れ、止まった。
グラウンドで部活をする者はもちろん、学校内で居残っている学生達も皆、窓から顔を覗かせて、体育館内で何が起こっているのかを確認しようとしていた。
ただ、俺を除いては。
霞み始めた景色に、幼馴染みが死んだことを悟る。
「おい、北山! 練習に戻れ!」
普段は鬼のように厳しい顧問に引き止められようとも、駆け出した足は止まらなかった。
誰に怒られるだとか、周りからの評価だとか、未来とか....アイの死んでしまったこの世界に、用は無いから。
既にモザイク掛かった景色の中、急いで体育館に向かい、担架で運び出されるアイの姿を確認した。
次に入り口に立ち尽くす顔面蒼白な福田 幸枝の肩を掴み、必死に問い掛ける。
「なんで、アイは死んだんだっ……」
慌てふためく、福田 幸枝の瞳には玉の涙が浮かんでいた。
「え、あっ、急に、仰向けで倒れて……。凄い勢いで、後頭部を打ってて……でもまだ、死んだわけじゃ……」
既にボヤけて顔の輪郭すらあやふやになってしまった彼女に、俺は現実を突き付ける。
「死んだよ、アイは……。もう、死んだんだ」