殺人鬼からのラブレター
(自分だけで動くには、限界がある)


そう実感した俺は、アイが死を回避出来るように、今まで起きた死亡する危険のある事故を紙に書き、彼女の家のポストに放り込んだ。

「なにこの手紙。気持ち悪い」

初めは冗談半分に受けていたアイだったが、何回も死を繰り返し死亡事故が増えていくと、次第に、手紙を信じるようになっていった。


俺が側にいなくても、”死の手紙”を信用し、自ら死を避けるようになったのだ。


途切れそうな命の灯火を、限界まで繋ぎとめて。


なんとか俺は、”死の手紙”を使って、自然と生き延びることが出来る12月3日までの流れを作り上げることに成功したんだ。


……けれど、さらなる困難が立ちはだかる。



それが、18時00分に商店街で発生する、通り魔事件。

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